こんにちは、オトナシです。
今回は最近話題になっている2020年に開催される東京オリンピックのボランティアの話題に少し突っ込んでいこうと思います。
というのも、このままだと無知な高校生や大学生がボランティアの意味を履き違えたりしていいことがないと思うからです。
はじめに
東京オリンピックのこういったボランティア問題について突っ込んだりすると、「失敗してほしいのか」とか「非国民か」なんて言われるかもしれないですが・・。
ぼくはオリンピックが失敗してほしいなんて全く思っていませんし、むしろ大成功で終わってほしいと願っています。
しかし、何か最近のニュースなどを見ていると
オリンピックは一生に一度しかない素晴らしい体験ができるボランティアなので
「学生諸君!やりなさい!」
なんていう、まるで戦時中の学徒動員のような洗脳めいた扇動をメディアがしているような気がしたので、ちょっとそれは違うんじゃないかなと思いこの記事を書くに至りました。
ボランティアとは?
まずはボランティアってみなさんはどんなイメージでしょうか?
日本だとボランティアと聞くと、一番想像されるのは災害などの緊急時に誰かの役に立つために「無償」の行動を起こすことかなと思います。
他に思い浮かぶのは学生であれば評点を上げるためとか課題であったりとか、様々な思惑はあれど何か「対価」を求めて行うことでしょうか?
では一度みなさんにそれぞれ自分のボランティアのイメージをしていただいたところで
ボランティアの本来の語源・意味を見ていきましょう。
ボランティア本来の語源・意味
以下コトバンクのボランティアの項目。
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説の項目からの引用です。
ボランティアは、ラテン語のボランタスvolunt
s(自由意志)を語源としており、自発性に裏づけられた奉仕者、篤志家を意味するものであった。保健、福祉、教育などの事業においては、自発的または自主的に無償の奉仕活動をする人々をさし、自発性または自主性、善意性、無償性、先駆性ならびに自己犠牲を伴うことがその行為の基本的特性とされていた。しかし、産業社会の近代化、国際化が急速に進むにつれて、ボランティアの活動領域は身近な地域の活動から国際ボランティアに至るまで多様な活動に拡大していった。[渡邊益男]
引用元
といったように本来のボランティアの意味は自分の意志に裏付けられた「自発的な奉仕」「無償の奉仕」なんかがあてはまりますね。
決して誰かに言われたからやるとかそういった外部からの強制力が働いてやるものではないんです。
例えば、自分が勉強などを満足にできない中で社会人になったので、現代風の寺子屋を開き子供に勉強を教えよう
などのように自分の環境ではできなかったことや不十分だったと感じたことを次世代の子供たちには満足いくまで学んでほしいとか、そういった気持ちや思いの部分に自発性や無償性を含むというのが本当の意味でのボランティアということでしょう。
ここで簡単にですが、ボランティアの意味や語源で紹介したことで
改めて、本来のボランティアの意義などに立ち返ることができたかと思います。
では次の項ではあるCMを見てもらいたいと思います。
労働力ややりがいの搾取?
はい、では一度こちらをご覧になってください。
このCMを見てもらえばわかるように、東京オリンピックには学生の力が必要不可欠なので、今学生である子供たちとほぼ同年代の広瀬すずさんを起用してのCMが放映されるのです。
確かにこれも一つの青春の形となるでしょう。
一生に一度しかない今しか経験できない東京オリンピックという舞台でのボランティア。
この貴重な経験は宝物となること間違いなしです。
しかしですよ?
それは身の安全や宿泊の面などでの安全が確実に保証されている場合についてです。
今回のボランティアの募集人数は運営委員会の想定では約11万人・・・。
都内などだけでは足りず、日本全国からの招集ということになるので関東圏にいる人だけではなく、北海道から沖縄まで日本で生活している多くの人の協力が必要不可欠でしょう。
参加する全ての人たちが都内で暮らしているわけではありません。
当然海外からも多くの観戦を含め多くの観光客が見込まれています。
その中でボランティアの人たちってどこに生活したりするの?
募集要項によると滞在先までの交通費や宿泊費は全額自己負担・・。
滞在先から大会施設までの交通費等は一部負担されるようです。
え?って思いません?
あれだけ社会人の人たちにも都内は会社休みにしたらどうかとか大学の休みもオリンピックとかぶらないようにとか支離滅裂なことを言っているのにも関わらず
もし遠くからくる可能性のある学生ボランティアにもすべて自己負担で、って・・・。
正直それはもはや国による学生の「やりがい」や「労働力」。
そして「善意」の搾取ですよ?
ぼくはそれは間違っているんじゃないかなと思いますね。
そういう搾取で人の時間などを奪ってはいけないと思いますし、参加したいと考える方々も搾取されることに慣れないで考えてから参加してほしいと思います。
次はこのままの状態で大量の学生ボランティアの搾取により起こりうるかもしれない問題点を指摘したいと思います。
東京オリンピックにおけるボランティアの問題点
先ほどのように学生や高校生などに向けて輝かしいCMをやったりするのは大いに結構です。
だってこんな色々な外国の方と触れ合って自分のスキルを試したいとか、海外にまでは行く勇気ないけどこういう場でどこまでできるかやってみたいという人からすると絶好のチャンスだとぼくは思います。
しかし、もしも
宿泊施設等の問題点が改善されないままにどうしてもやりたいという人が絶えない状況が続いたらどうなると思いますか?
例えば、ホテルとかは高いからネット上で知らない人のうちに泊まれるように募集するとか、野宿しちゃうとか...etc。
問題点は様々ありますよね。
それによって最悪のパターンは殺人や窃盗・・・ボランティアへの被害が出たらどうするんですか?
そんなの自己責任でも何でもなく、ただの人災ですよ?
だって、まだそういったリスクをしっかり考えることのできない子供を対象にオリンピックのボランティアをやろうと扇動するCMをしておいて何か問題が起きたら全て自己責任となる流れがもうすでに見えてしまっているじゃないですか。
例えばボランティアに参加してくれる人用にホテルを国が借り上げるとか、きちんと泊まれる場所などを把握したうえでのみ参加を許可するとか
そういった点でしっかりリスク管理をして国が確実にボランティアを守ってくれるような環境であれば、色んな人が参加しやすくなるんじゃないかなと思いました。
有償であることによって責任感が生まれる
こういったことを言うとなんか方々から突っ込まれそうですけど・・・。
結構有償のボランティアって多いんですよ。
逆に完全に無償のボランティアの方が少ないんじゃないでしょうか?
大きなものですとなにか食事が出ることや図書カードなどの金券とか、現金ではないけれど現物支給であったり、実は有償だなんてこともあると思います。
かくいうぼくも学生時代には市から業務委託されたNPOで有償のボランティアとして「子供に勉強を教える」活動をしてました。
正直こういった少しでも報酬がある形だとやってやろうという気になるんですよね。
無償でただ労働力の搾取としてやらされるよりも、有償ならば責任感が生まれやすいと思います。
ぼくだけかもしれないですが、なんでもかんでも無償だなんだとやっていると、いざその人が逃げたときにも何も言えないと思うんですよね・・・。
だって奴隷のように搾取しておいてどの口が・・・・なんてこと思っちゃいますもの。
あ、でも緊急時は別ですよ?
災害で本当に人の命の危険があるとかで救助活動としていくボランティアとかは自分で食べ物なども用意してから現地に行っていることかと思うので、自分の意志で行っている素晴らしい活動だと思います。
完全に無償でできたりする人ってやっぱり金銭的にも時間的にも余裕のある人たちだけですよね・・・。
あれ?
そんな人たちって・・・・実はいっぱいいますよね?
・・・・・・・まぁ言わないけど。
若者批判するなら自分たちがどうぞ無償でやり続けてくださいと思いますけどね。
ぼくらだって自分がいま生きるのですでに精一杯ですから。
少しだけ物申したい
最後に少しだけぼくがボランティアの労働力ややりがいの搾取に対して言いたいことがあります。
たった長い人生のうちの数日だからとか、そんな理由で人の時間を搾取するのはどうかと思いますよ?
特にまだ社会についてあまり多くを知らない子供に向けて・・・。
そして、ここが一番気になるところ。
ぼくは広告系に勤めたことがないのでもし詳しく知っている方がいたらそのお金の規模とか流れとか教えて欲しいんですけど・・・。
そのCMとかって本当に必要でした?
そんな無駄なことにお金を使ってくだらないことするくらいなら、それにかけてたお金をオリンピックのボランティアで求められる専門的な(高度な医療や語学)スキルを求められる人たちや、遠方からでも協力したいと夢見る学生の人たちに報酬として分け与えることできるんじゃないの?
何かお金の使いどころ間違っているような気しかしないのはぼくの気のせいでしょうか?
ボランティアは奴隷じゃないんですよ?
しかも専門的なスキルを必要とされる人たちの、そこに費やす時間はどれほどの価値のある時間かどうか今一度募集する人には考えて欲しいものです。
東京オリンピックのボランティアで貰えるグッズなど
オリンピック自体について反対しているわけではなく、ぼくはテレビで楽しもうと思っているので
2020年のオリンピックのボランティアでもらえるらしい限定グッズの紹介といういい点もしっかりしておきます!!
- 「東京2020大会 大会ボランティア」オリジナルデザインのユニフォーム一式(シャツ、ジャケット、パンツ、キャップ、シューズ、バッグ等。アイテムによっては、複数枚を予定)
- 活動中の飲食
- ボランティア活動向けの保険
- 活動期間中における滞在先から会場までの交通費相当として一定程度
※ オリエンテーション、研修及び活動期間中における滞在先までの交通費及び宿泊は、自己負担・自己手配となります。
こういった参加することによってもらえるシャツとかは絶対一生の宝物になりますよね!
非売品ですから、きっともらった後の達成感や満足感でやりきったなと思えるはずです。
これだけでも参加する価値がある!!
という方はきっといらっしゃると思うので、ぜひそういった人たちにはオリンピックを盛り上げていってほしいものです!
おわりに
賛否両論あると思いますが、ブログは自分の考えを表現するオープンな場だと思っているのでちょっと極端な意見もあったかもしれないです。
長々と語ってはきましたけど
ぼくが言いたいことは
最終的に「自分の時間を費やしてでも見合う条件なのか」という点をもっと考えてから参加するべきなのではないかなということです。
今のネット社会なんて嘘はすぐばれますし悪い条件を隠蔽していくことなんてできないんですから
いい点も悪い点もしっかり見て、自分で考えてから行動してほしいと思います。
メディアとかにだまされちゃダメですよ?
もちろんぼくのこのブログだってそうです。
ぼくのブログを見ただけで
「あー、そうかも、ボランティアやめよ」ではなくて、こういった意見もある中で情報を精査していく必要があるんです。
他人はその個人の責任を負うわけではないんですから。
あくまでぼくの考えはぼく個人のモノであって、そこに完全に同意する必要はありません。
色々な情報を集めて、統合した結果同じような考え方になるとかそういうのは大歓迎ですよ!
最後になりますが
ぼくは
ボランティア=「奴隷」や「労働力の搾取」であっては欲しくない
そう願っています。
今まで色々書いてきたのを見ていただければわかると思いますが、ボランティアは善意の上に成り立つものであって若者の時間ややりがいを犠牲にしていいものではないですよね。
また、誰かの犠牲が必要になるのであればそこについては改善策か必要になるのではないか?
若いんだからとかそういう言い方にだまされることなく、多くの人が現状はおかしいと気付くことがまずは必要ですよね?
今のままだと参加できないという拒否の意志をしっかりと示すことで運営側も気付き、いい方向に変えるというサイクルは生まれません。
これからも搾取される側で生きますか?
それとも何かを変えたいと自分の意志を持って行動していきますか?
ボランティアだけではなく、自分の人生こそ自分の意志や夢を持って生きていきたいものです。
最後も少し長くなってしまいましたが、今回はここまでです。
また次の記事もよろしくお願いします。
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